大徳†無双‐等価伝‐「――みんなが笑って暮らせる世界、造りたかったなぁ」
姓を持たず、名も持たなかった私のたった一人の親友。劉備玄徳、真名を桃香。
真名の響きが私と同じだった、それだけの縁の彼女。
私の腕の中で息絶えた彼女は、そんな夢想を語っていた。
――なら、私がそれを叶えよう。きっと不可能だろうけど、それでも私が
親友の夢を少しでも形にするため進んでいこう。
私は劉備。字は玄徳。真名は等価。
手には二刀、掲げるは大徳。血塗れの夢を掲げて笑顔を咲かせる。
狂気の天下よ、この手に降りよ。笑って暮らせる傷ましい世界のために、邪魔する者は皆殺し。
味方だけでも笑って貰う。それが私の限界だ。
桃華になついていた狂人が彼女の志を叶えるために計算ずくで大徳を演じる。
努力を苦にも思わなく、できることは可能な限り追求する。全ては今は亡き彼女のために。
狂ってるけれども、人をここまで熱狂させる桃華の魅力はすごい。
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