異世界帰りのパラディンは、最強の除霊師となる
ここは、現代日本と非常に似通った世界であった。
唯一の違いを述べるとすれば、悪霊や、悪霊が生み出した怨体(おんたい)を退治する除霊師いう仕事が国から公式に認められ、人々の半数くらいが霊の存在を信じていることであろうか。
日本にある地方都市、戸高市において、今夜も二人の新人除霊師が低級の怨体を浄化する仕事をこなしていた。
一人は広瀬裕という名の男子高生であり、もう一人は相川久美子という名で、彼の幼馴染である女子高生。
二人は、戸高市北部にある戸高山の麓に並んで建っている戸高神社と戸高山神社の跡継ぎでもあった。
両名とも除霊師としては大した実力もなく、実家を継いで副業として除霊師をやればいいという風に思っていたのだが、いつものように裕が父から戸高山の山腹の洞窟の中にある祠の掃除を頼まれてそこに到着した瞬間、異世界へと飛ばされてしまう。
その世界では、すべてを死せる者とすれば世界は平和になると、死霊王デスリンガーという死を司る邪神が暴れ、人間たちを滅ぼす寸前であった。
「いきなり召喚してしまい、大変申し訳ないが、異世界の勇者パラディンとして死霊王デスリンガーを倒してほしい」
他の世界から召喚された三人と協力し、三年で死霊デスリンガーを倒した裕は元の世界に戻るが、到着したのは召喚されてからわずか一分後。
さらに、異世界のパラディンとしての強さと、死霊王デスリンガーを倒した神刀ヤクモなどの装備もそのまま。
挙句に、異世界のパラディンの特性であるステータスが表示され、死せる者を倒すと経験値が入り、レベルが上がる状態まで維持したままであった。
「これならすぐB級除霊師になれるな。帰りにラーメン屋にも寄り放題だ」
「裕ちゃん、なんかもの凄く変わったよね? なぜか私のステータスとレベルが表示されるけど」
「お札は自前で用意できるようになったぞ! つまり利益率が上がるんだ!」
「そのお札、裏が白いチラシを切って筆ペンで書いてあるけど大丈夫? 字も相変わらず汚くて読めないね」
「効果があるから問題ないし……」
異世界帰りで強くなった裕と、なぜか彼と同じようにレベルが上がるようになってしまった久美子。
他にも、久美子と似たような除霊師(女性限定)が増えてきて……。
後世、史上最強と呼ばれるようになる除霊師、広瀬裕の活躍が……始まるといいなと思う。
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Author:縛種桃源郷
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