鉄屑戦記

鉄屑戦記

「九州防衛、帝国防衛、人類防衛」

おおむね2年で異動となる日本帝国本土防衛軍西部方面司令官のポストに就いた男の「要望事項」はあまりにも壮大に過ぎたため、失笑とともに受け取られた。

が、彼は閣僚や高級官僚の弱みを握り、帝国情報省と繋がり、海外から買い漁ってきた中古機・用廃機・横流し機を揃えて「第92戦術機甲連隊」を創設。当初、横流しのF-4や殲撃八型を備えたこの部隊は、鉄屑と称された。

しかし、西部方面司令官はこの第92戦術機甲連隊を「帝国に本来存在しない戦術機を揃えたイレギュラー」と称し、西部方面隊第4師団・第8師団に並ぶ切り札として扱った。

そして1998年1月、ついに朝鮮半島が陥落――第92戦術機甲連隊はBETA大戦の最前線に立つ。

最前線が予想される西部方面の部隊が中古や横流しの戦術機をかき集めて改造して戦力化。
歴史には存在しない鉄くず部隊が本土防衛にどう影響を与えるのか。
基本的に劣勢なので撤退戦が好きな人にはおすすめ。